はじめてみんなに共有、黎明橋芝生の維持管理について_芝生とコミュニティ(2026.3.1)作業後MTG

黎明橋公園の約2000㎡の芝生を育てる活動。昨年度は786人(のべ)の市民が参加しました。
公園の芝生を市民が「主体となり」守利・育て・活かす例は少なく、全国的にも珍しい取り組みです。
このモデルを13年継続しています。
ボランティアMTG_来年度の維持管理をどうしよう
いつもは終わる時間ですが、みんな最後まで残って、最後まで話を聞いてくれました。
今まで詳しく話していなかったこと。イクシバのこと、運営のことです。

実はここ数年、黎明橋公園の芝生を維持するための年間費用の多くを、イクシバの自己資金で賄ってきました。原資は、以前の受託事業、助成金、ご寄付、メンバー会費、借入金などでなんとかやりくりしてきましたが、この形を団体だけで支え続けることには、そろそろ限界が見えてきました
今年度、この一年間、さまざまな方法を模索しましたが、来年度以降、持続できる予算的な仕組みを作るところまでは至りませんでした。なんでこんなことになってるのか・・・の背景からお話しします。


背景:人口増と芝生を維持するための打ち手の変化
活動開始した2013年と芝生育ての作業内容がガラリと様変わりしています。
これは環境変化です。活動を始めた頃と比べて、公園の利用状況は大きく変わりました。
この13年で晴海地区の人口は約4倍に増えています。(2013年7,522人 → 2026年28,562人)
タワーマンションが立ち並び、保育園の散歩の公園として毎日100〜200名の園児が訪れる、子育て世代にとって大切な地域の公園になりました。都心では希少な緑は、昆虫探しや落ち葉、土いじりなど、子ども達の貴重な自然体験の場にもなっています。
その一方で、芝生にとっては利用が増え、踏圧が増えると厳しいの一途です。
さらに新たな建物で日光が遮られ数年前から日陰が多くなりました。植物に必要なものは水・光・空気です。大事な光によって光合成で成長に必要なエネルギーが作られます。
芝生にとっては、とても厳しい環境です。
この厳しい踏圧と日陰環境では、単なる芝刈りや雑草とりだけでは芝生は徐々に衰退してしまいます。
この環境で芝生を維持するには、2013年当初のような通常の芝刈りだけでは足りません。
補植で芝生の数を増やす試み、冬芝の併用で芽出し時期を守る管理、そして都度都度の更新作業が必要になってきました。芝生の専門家はわかることです。
この場所で、天然芝はもう無理ではないか……?
そんな声も聞こえてきます。
いや、でもまだ方法があるはずだ。
諦めたら、この芝生環境はもう二度と手に入らない。打ち手が持続しない度に、知見を求めました。
イクシバの試行錯誤
コロナ以降、私たちは試行錯誤を続けてきました。
柵で長期間閉じるような管理ではなく、遊びに来る子供のことを考え、できるだけ使いながら芝生を守る方法を考えてきました。他の芝生公園を比較しても黎明橋公園の養生期間は、いつも最短です。
まず春先の芽数減少を抑えるための試作では一定の成果が出ました。しかし、それでもなお、使い過ぎによって中心部分は裸地になってしまいます。その対策を探り続け、5年の試行錯誤の末、今年度ようやく一つの方法に辿り着きました。
(この取り組みは、単に教科書をなぞるものではありません。黎明橋公園という場所の条件、利用状況、芝種などを踏まえ、この場所だからこそ効く維持管理法を探るものでした。その場に応じた管理方法を見出していく——芝生育ての真髄のような体験でもありました。)
それが「夏芝苗の大量補植」・「冬芝」です。その他更新作業もします。この施策をして、ようやく『現状維持』ができる。そのくらいに芝生を維持するのが難しい場所になっています。それをしないと?→裸地化します。所々にあるハゲている箇所、それが拡大しておそらくツルツルとなってゆきます。今、堰き止められているのは、ボランティア皆で打ち手を実施してるからなのです。
今、手入れしてるから維持が出来ているのです。
しかし、そのための費用が重いのです。
イクシバの自己負担
視察や勉強、苗の購入、トラックのレンタル、種や道具の購入など、これらをイクシバの資金で賄い、作業はボランティアメンバーで行ってきました。
昨年度(2024年度)は786人がこの活動に関わってくれました。
そんなお金イクシバにあるの?
はい。受託事業でいただいたもの、助成金、ご寄付、メンバー会費、協賛さんのおかげです。
さらに、日本政策金融公庫からの借入なども行い、毎月返済もしつつ、資金を作り、やりくりしてきました。
ただ、ここの芝生を無くしたくない。
NPO団体としての組織の成長よりも、公園の芝生を守ることを優先してきました。

イクシバの限界と苦肉の方針
しかし、その費用を団体だけで支え続けるには、そろそろ限界が見えてきています。
助成金の多くは単年のものですし、事務負担も重く、申請しても必ず採択されるわけではありません。
今までは、ここに芝生があり続けてほしいという思いで、お金も愛情も注ぎ込み続けてきましたが、身を切る形の活動は長くは続きません。ただ、ここまでやれるだけはやってきた、と胸はって言えます。
・・・なので、来年度はできる範囲の活動に変更します。
残念ながら来年度は、今年度のような『フル作業』から数段階落とすことになります。
その結果、裸地が増え、部分的に芝生がなくなる可能性があります。
芝生のことを思うと、今度は心を切られる思いです。
皆さん本当にごめんなさい。芝生、ごめんね。書いていて涙が出そうです。
今年度の努力があるので影響は ”すぐ” ではありません。経験則上、確実に変化は出てきます。
一度悪化すると、改善には数倍の時間がかかります。
この間も協賛や寄付の募集など、できることは続けていきます。

しっかりと守るもの
しかし同時に、私たちは芝生育てを通じてコミュニティを育てています。
ここには年間786人の人が関わります。
力のある人もない人も、病気の人も元気な人も、寡黙な人もおしゃべりな人も、子どもも大人も、今日初めて来た人も10年選手も、関係なく、それぞれの形で芝生を育てています。
毎週の活動日以外にも毎日来て作業してくれる人もいます。
年に一度来てくれる人もいます。
「できる人が、できる時に、できる分量だけ」
自分に合った形で関わってくれています。
そんな皆さんは、等しく芝生から歓迎される存在です。
みんな芝生の育ての親ですから。
芝生は誰も排除しない。
どんな人も大切な存在ですし、
そして出来上がった芝生では、たくさんの人が遊び、喜んでくれています。
来年度は、コミュニティを守る。
できる範囲の芝刈りや雑草とりを中心に続けていきましょう。

引っ越してきて、遊ぶ公園が黎明橋公園だったから、当たり前と思ってたこの芝生の環境が、ここだけと分かった!ある日曜に公園に来ると、大人も子供も芝刈りしていて、寝転び出してるイクシバの様子を見て、なんだ?なんだ??と思って試しにボランティア参加してみたら、家族みんな好きになって、今では良い日曜のリズムになって・・・と参加してくれている家族がいます。
子供が小さい時からこの公園に世話になったから、恩返ししたい。と仲間になってくれた人もいます。
そんな素敵な人たちに会えるなんて、この活動を始めた頃は思ってもみませんでした。

「できる人ができる時にできる分量だけだって?美しすぎる考えだ。そんな甘いこと言ってたら誰も来やしない」と設立当初、心配されたこともありましたが、本来、ボランティアは強制されるものではなく、人生が彩られたり、誰かと共鳴したり豊かになる活動です。そのベースは自由な意思。このかたちにこだわり、結果、素晴らしいコミュニティが緩やかに形になってます。
意識しなくてもみんなに居場所がちゃんとここにある。
顔見ないと少し心配になる、元気にしてたらいいな、って思ってくれる人がここにいる。かけがえのないインフラになってます。
そんな素晴らしい皆さんがいればこそのこの活動です。(大きな賞もいただきましたしね!)
賞をいただいても現実の台所事情は変わらず。本当にこの数週間、悩みに悩んみ、まだ解決の糸口もないですが、全てを受け入れ、いつか、いつか、ちゃんと苦労なく運営して行ける日も来ると信じて。
イクシバもやれるだけはやります。みなさん、今後は一緒に育てましょう。育ててくれませんか?
この芝生を未来にも残すために、応援してくださる企業や個人の方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。もし、この芝生を通じたコミュニティ活動を「いいな」と思ってくださる方がいたら、仲間になってください。人でも、知恵でも、お金でも。
芝生はきっと喜びます。
この日のメンバー全員が最後まで残ってくれて、真剣にお話を聞いてくれ、最後はそれぞれの想いを共有してくれました。
この日のメンバーのみなさん、ありがとうございます。
お疲れ様でした!




