小学校視察
今日は都内某区からの依頼で、某小学校へ行ってまいりました。
芝生の師匠、芝生の先生、芝生のレジェンド、芝生の大先輩、芝生の兄貴
と一緒に、日本芝草学会校庭芝生部会の運営委員として私も参加です。
10年目の校庭芝生がどうも具合悪くハゲてしまったとのこと。
原因を突き止めるには表面を見るだけでなく、
土壌の中がどういう性質かも知るとよくわかります、で、その測定器いろいろ
まず裸地をスライス。
すこーしづつ砂を避けて、根っこ残ってるかな?
あるとすればどのあたりにあるかな?と観察。
そこから色々測ってゆきます。
地面にどれくらい水が浸透してゆくか。水捌けがどれくらいできそうかわかります
(既に飽和状態ならあまりしみない)
今の地面の保水性の測定
スライスしてみて根っこどのくらいまで伸びてるか
10年間ちゃんと目砂を上乗せされていました。
砂の粒の大きさはどんなものか。
砂>シルト>粘土 粒子が細かすぎると保水性が高まり芝生の根っこによくない
こちらの床土はシルト多めだったので、吸着水多くなり水分過多に偏りがちと判断されてました。
芝生の伸び具合は?
葉っぱと一緒に砂がひっついて塊になってましたが、
洗うと根深そうに見えて、実はそんなに根は伸びてなくて、
砂が保水性高く固まってただけ。
ですが、ちゃんと肥料をあげて刈って行けば好転します。
靴箱から子どもたちが飛び出すこの場所は踏圧をもろに受ける場所。
このほか、表面の硬さを調べたり、土壌の柔らかさを調べたり。
ヒアリングしてみて・・・
一人当たり児童数に対する芝生面積3平米程度。
床土の下に必須の単粒砕石⤴️ではなく再生砕石⤵️が入ってます。
基本となる夏芝に当初は改良野芝の品種を入れられていたそうです。
野芝は手間いらずと言われてます。成長がのんびりさんという意味です。
だから芝刈りを頻繁にしてあげなくていいよ!楽でしょ!?、
ということを長所として挙げられますが、
それは利用する場所によります。
あまり人が入らない公園でのマッチングでは理想の組み合わせ。
手間いらずの裏を返せば、一旦踏圧ですり減っても、成長のんびりさんは
伸びてこなくて、その間さらなる踏圧を受けてそのまま裸地化しやすい品種です。
つまり、児童数の多い小学校グラウンドなどでは理想のカップルではありません
昼休み、授業で、一斉に踏む場所である校庭は踏圧で少しづつすり切れる場所。
ここで使う芝生には回復する力強さが必要です。
案の定こちらでもハゲてしまい、途中でティフトンに替えられたそうです。
補植タイミングは、今年はコロナ禍で時期が遅くなり8月に、
補植方法は撒き芝でされたそうです。
撒き芝だと撒いた後、活着までの時間に踏圧を受けると根が動いて根付けません。
タイミングもコロナで仕方ないですが遅め。
少しづつ裸地化へボタンのかけ違いがあったようです。
次にやるときは、コアリングした校庭の芝からポット苗を作り、
(養生期間短くなるように1平米あたりポット6個か9個で!)
梅雨に入る直前に穴を開けて補植された方が根の部分に踏圧の影響は少なく抑えられると、
補植の方法とタイミングをアドバイス。
それから肥料もちゃんと忘れずに!!
でもそんなに深刻ではなさそうでした。
ティフトンの性格にあった年間計画を立てられたのち、
いいタイミングに、ちゃんと芝生復活大作戦をすれば、
すでにいい砂、いい設備が揃ってるここの学校でしたら、
ちゃんと根は活着してまた復活できそう!との診断。
信頼できる芝刈り機も揃ってました。
施肥マシンは3台もありました。
スプリンクラーもあります。
あとは校庭利用の頻度に合わせて根が活着するまでの間を
どのくらい養生できそうか、
雨の日は校庭使えないので自ずと養生できますしお天気の力も借りて、
生き物である芝生のポテンシャルを最大限に伸ばすために
(後々その方が恩恵もらえますしね)、という視点を持ちつつ
小学校と世話をするグループと、みんなで知恵を絞ればOK!
ではないですかね?
コミュニケーションよく情報共有することも、うまくゆく大事な要素です。
地域づくりの芽も芽生えてゆきますよ!
それにしても、
都心にしてこの広さ、全面芝生校庭!
なんて素敵な学校でしょう!✨✨
人工芝で夏の暑い日にもっと暑い暑い環境とは雲泥の差、全く違います。
みんなでかけがえない環境を守ってほしいなーー
大応援しています💪!!